[彫金]という言葉はよく聞くけど、[鍛金]という言葉はほとんどの人が、あまり馴染みがないと思います。
このページで簡単に説明します。
彫金は本来金属の表面に鏨(タガネ)という工具で文様を施したもので、
打出し・彫り・象嵌などの技法で表面を装飾したものと言うと判り易いかと思います。
しかし、現在では彫金=アクセサリーと認識されることが多く、これは昔武具、刀装具に彫金技術が使われていたものが明治になって職人達が、身を飾る装飾品に移行していったことが原因と考えられます。
今では彫金教室と呼ばれるものは多く見受けられるようになりましたが、
彫金家と呼ばれる人は少なくなりました。
鉄地のリングに溝を彫り銀線を嵌めている工程です。
[鍛金]という言葉は聞きなれないと思いますが、鍛金技法で作られたものは多く見受けられます。
技法の幅は大変広く、小さなものは手の平に乗るもの、大きなものは自動車・飛行機までも含まれます。
金属板や棒などを金槌で「打ち延べ」「打ち絞り」の手作業の工芸品と、大きな機械や、溶接技法で作られているものが周囲に溢れています。
私は手作業の鍛金・彫金技法を元に制作しており、金槌・当金(あてがね)鏨が工房に溢れています。
工房内の「ぶったて」と「鳥口」と呼ばれる当金、金槌の工具達です。
7㎜の角棒から打ち出してスプーンの形が見えてきました。 ヤスリ,キサゲ、砥ぎ、バフ磨き、彫りを経て完成しました。